FIGARO, 2014/09/12
移民・人口統計研究所長 Nicolas Pouvreau-Monti氏
フランスの移民・人口統計研究所の所長は、ヨーロッパの移民の比較評価を行い、フランスへの移民は文化的にも雇用市場においても統合が進んでいないと分析している。
まず、労働市場については、フランスの移民の15歳から64歳の労働率は61%で、他の欧州諸国と比較して7ポイント低い。とりわけ、欧州域外からの移民の労働率は低く、51.7%にとどまっており、フランス人全体と比較すると14ポイントも低い。また、欧州域外からの移民の失業率は、19.5%で、フランス人の8%と比較して倍以上の水準になっている。また、相対的貧困率でもフランス人が11.5%であるのに対し、欧州域外からの移民では、47.6%にも達する。
これらの移民のプロフィールであるが、2005年から2020年の実績では、41.2%は家族呼び寄せ制度に基づきフランスに入国した移民であり、ドイツの3倍となっている。一方で、労働を理由とする移民は全体の10%に過ぎない。
また、教育水準も低く、15歳から64歳の移民の30%は中学卒業以下であり、このカテゴリーは、フランス人の倍以上の水準となっている。このうち、欧州域外からの移民に限ると中学卒業以下は、42.6%に上る。
さらに文化的にフランスから距離のある国や地域出身者が多いのも特徴である。15歳から64歳の移民のうち、61%がマグレブ諸国を含む、アフリカ大陸出身者で、この水準は、欧州諸国の平均の3倍に達する。例えば、ポルトガルにもアフリカ大陸出身者が多いが、その割合は35%にとどまる。
文化的相違は、出産行動にもみられる。2019年の移民の合計特殊出生率は、3.27であり、フランスで生まれたフランス人が1.66であることから、倍以上の水準を記録している。
このような背景もあり、第2世代が直面する困難も他国と比べて大きく、学校にも通わず、職業訓練にもついていないニートの割合は、24%にも達している。この数字は他の欧州諸国と比べても高い水準である。
以上のように、フランスの移民政策の現状は、経済、予算、あるいは社会的な側面においても、非常に懸念される状況と言わざるを得ない。移民のコストを極力減らし、便益を拡大するという困難な課題に、バルニエ内閣が取り組むことが求められている。

コメントを残す