フランス健康保険庁 不正調査強化へ

患者も、医者も企業も対象に。

Marie-Cécile Renault  Le Figaro 記者

Le FIGARO 2024/09/09 オンライン版

【要約】

  フランス保険庁の事務長、Thomas Fantome 氏によれば、2024年のフランス保険庁の赤字額は、114億€(約1兆8000億円)にのぼり、史上最大級のレベルに達している。この赤字の要因の一つとして病欠補償金があり、過去8年間で50%の増加を示している。2015年には104億€(1兆6500億円)であったものが、2023年には158億€(2兆5000億円)に増加、2024年には170億€(2兆7000億円)に達する見通しである。病欠申請を行う労働者の数は増加し、病欠の期間も長期化の傾向を示している。

 保険庁では、18ヵ月超の病欠者、労働災害による病欠者などへの調査を行い、職場復帰を促し、また、医療機関との面談を進めることで適切な病欠証明書の交付を指導、さらには、病欠者の割合が同業他社と比較して多い企業への調査などを進め、病欠補償金予算の減少を目指している。しかし、不正調査を強化しても、現状では、健康保険を長期に渡って安定的に運営することが難しくなる見通しにある。

 Fantome氏によれば、給与補填がなされない期間が、民間企業は3日、公務員は1日となっているが、大手企業では、企業あるいは企業が提供する付加健康保険(Mutuelle)で、その3日間の給与補填がなされており、従業員が病欠取得を思いとどまるインセンティブが弱い。その対策として、強制法規として、この給与補填を禁じる法改正が以去年の予算審議で議論されているが、結局、導入が見送られてきた。

 現在、フランスの予算が厳しい中、来年度予算に向けて、政府、国会や組合関係者が検討を迫られることになる。

【引用部分】

「En hausse de 50 % en 8 ans, leur coût explose et pourrait franchir la barre des 17 milliards d’euros cette année.」

【翻訳】

「8年間で(病欠補償金の給付額は)50%増加し、その金額は高騰を続けている。今年(2024年)は170億ユーロの大台に乗る可能性がある。」

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